写真を撮ろう  写真を選ぶ

撮影のあとで    写真を選ぶ

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 写真を撮ったあとです、問題は……。
フィルム・カメラの時代と違って、デジカメでは何枚撮っても、お金はかかりません。
気軽るにシャッターを押しましょう。

 一歩前に出て、左手の人差し指の先だけに力を入れ、脇をしめて息を止めてシャッターを切る。

でしたね。
ところで、撮った写真をどうしているでしょうか。

 

フィルム・カメラの時代に撮った「パガンの落日」

 まず、パソコンに取りこむ。
ダイレクトにプリントする。
共有サイトに上げる。
いろいろとあると思います。

 ここで、撮影の時に考えたかも知れないピント(フォーカス)とか、絞りとか、シャッター・スピードとかが、もう一度でてきます。
たくさん撮った写真のなかから、数枚を選ぶとしたら、どんな基準で選ぶのでしょう。

 写真で選ぶというのは聞きますが、写真を選ぶというのは、あまり馴染みがないかも知れません。
写真で選ぶのは簡単ですが、写真を選ぶのは難しいものです。
 
 ピントがドンピシャの写真でしょうか。
それとも露出が適正な写真が良いのでしょうか。
雑誌などのコンテストでは、ピントや露出の正しい写真が選ばれるでしょう。
コンテストで選ばれた写真が、ほんとうに良い写真なのでしょうか。
写真雑誌の巻頭を飾るような写真が、見る人の心を打つのでしょうか。

 ダイアン・アーバスという写真家がいました。
彼女の才能は天与のもので、有名な写真家のリチャード・アヴェドンは、<自分にダイアン・アーバスほどの才能があれば>と言わせた逸話が残っています。
その彼女が発表した写真には、見物人達がツバを吐きかけていったそうです。
今では伝記すら出版されている彼女ですが、写真の選択には迷ってきたようです。

 彼女の写真を見ると、写真の向こうに広がる世界が見えてきます。
ダイアン・アーバスの写真には、絞りとか、シャッター・スピードなどを忘れさせるものがあります。
彼女の撮った写真は、モノクロが多かったのですが、印刷されても大きな世界を感じさせてくれます。
それらは決してキレイではありません。
しかし、彼女の写真には、見る人を捉えて離さない力があります。
 最初は気に入っていたのだけれど、 長いあいだ見ていたら、この写真には飽きてしまった。
 ボクたちの撮る写真は、自分のために撮る写真であって、一枚いくらで売るためではありません。
プロの写真家といいますが、彼らは写真を売っているのです。
もし、売るための写真を撮るなら、こんな楽なことはありません。なぜなら、雑誌社にしても新聞社にしても、買うほうが写真を選ぶのですから、撮るほうは選ぶ必要がないのです。

 自分のための写真だからこそ、写真選びには拘りたくなります。
撮ること以上に困難なのが、写真を選ぶことだと思います。
自分が選んだ世界が、小さな写真の向こうに見える、そんな写真が良い写真じゃないでしょうか。

玄関のドアに磁石でパチン

 自分で撮った写真を、壁に貼りましょう。
撮ったままにしておいては、写真を見る目が育ちません。
ピンナップこそ自分好みの写真を発見する道です。
まず、ピンナップして、何日か眺めます。すると、不思議なことに写真の善し悪しが見えてきます。

 自分の撮った写真だからではありません。
撮影したときには、あまり感じなくても、長く見つめていると、写真が何かを語りだすのです。
時間がたつと、自分が撮影したことを忘れて、写真自身をすなおに見ることができます。
その写真が語る物語が、豊かであればあるほど良い写真です。

 反対に、撮影したときは良い写真が撮れたと思っていても、いくらか時間がたつと感動を失っていく写真もあります。
写真の向こうに世界が見える写真が良い写真で、それを発見するには壁にピンナップすることです。
 写真から何か息吹を感じる。
多くの人は、そんな写真が好きなのではないでしょうか。

 プロの写真家には、物撮り(ブツドリ)といって物を専門に撮影している人がいます。
スタジオにこもって、新商品の宣伝に使われる写真を撮るのです。
または、ポスターになる商品見本の撮影でしょうか。
いずれにしても、両方とも高度な撮影技術を必要とされています。
ワンカットの写真を撮るのに、何時間もかけます。

 商品撮影はプロ中のプロの仕事にもかかわらず、撮影された写真は商品を宣伝するために使われるものです。
撮影者の名前はでてきません。
そのためか、彼らは物撮りに充実感を持てないといいます。
商品撮影に充実感を持てないのは、物撮りで撮影された写真からは、息吹を感じないからじゃないでしょうか。 

ちょっとしたヒントになるかも
 インパクトを与えるのは一枚の写真ですから、原則として、写真はワンカットが勝負です。
しかし、組写真という手もあります。
4〜5枚を一組にして、写真を並べてみてはどうでしょうか。
ちょっと説明的にはなりますが、世界を広げることができるかも知れません。
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